試験項目 過マンガン酸還元性物質
供試量 10ml
試験装置及び試薬
試験管
  1. 標準液用試験管(硬質ガラス製,共栓付き,外径約18mm長さ約180mm)
  2. 試料用試験管(上記標準液用試験管と同形,同質,同色(無色)で共栓でないもの.この試験管は,過マンガン酸還元性物質以外の試験に使用していないもので清浄なものに限る.)
    ホ−ルピペット(容量2ml,5ml,10ml,25ml,50ml)
    メスシリンダ−(容量100ml)
    メスフラスコ(容量100ml,200ml,1l)
恒温水槽
蛍光灯(色評価蛍光管20W)
ストップウォッチ
ガラスろ過器(JIS R 3503 細孔記号4)
分光光度計
過マンガン酸カリウム(KMnO4
シュウ酸ナトリウム((COONa)2)
塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)
p-ニトロフェノ−ル(O2NC6H4OH)
酢酸(CH3COOH)
酢酸ナトリウム三水和物(CH3COONa・3H2O)
硫酸(H2SO4
試験法
あらかじめ標準液を15ml入れた標準液用試験管2本を25±0.5℃の恒温水槽に浸しておく.
試料10mlを試料用試験管に入れ,2本の標準液用試験管の間に浸す.試料の温度が恒温水槽の温度と等しくなってから,0.0002mol/l(N/1000)過マンガン酸カリウム溶液5mlを加え,すばやく恒温水槽から出してよく撹拌した後,恒温水槽に戻し,規定した時間が経過したときの試料の色度と標準液の色度とを比較する.このとき測定者は恒温水槽から約1m離れた位置から各試験管の色度をみる.時間の測定開始は,0.0002mol/l(N/1000)過マンガン酸カリウム溶液を加え始めた時からとする.
 
その他の試験条件は以下のとおり.
  1. 試験を行う場所は,直射日光を受けず,外部の光の影響を受けにくい場所とする.
  2. 試験管の背後には白色のプラスチック板などをおき,背景色,光などの影響を受けないようにする.
  3. 恒温水槽の前面上部に蛍光灯を取り付け,測定中は蛍光灯を点灯する.
  4. 恒温水槽の水は,無色透明かつ清浄なものとする.
  5. 0.0002mol/l(N/1000)過マンガン酸カリウム溶液は,0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液を蒸留水で希釈して調製する.0.0002mol/l(N/1000)過マンガン酸カリウム溶液は,調整後5時間以上経過したものは使用してはならない.
  6. 0.0002mol/l(N/1000)過マンガン酸カリウム溶液は,試料に加えたときに試料の温度が変化しないよう事前に恒温水槽に浸しておく.

試薬の調整方法

  1. 標準液
    A液 塩化コバルト溶液
    塩化コバルト1.5gを蒸留水約95mlに溶かし,これを10×10mmの石英セルにとり分光光度計で蒸留水を対照に511nm付近の最大吸収帯での吸光度が0.310±0.005となるように蒸留水を加える.
    B液 p-ニトロフェノ−ル溶液
    酢酸1.20gを蒸留水に溶かして100mlとし,ほかに酢酸ナトリウム2.72gを蒸留水にとかして100mlとし,この両液を正確に1:3の割合で混合し,緩衝液とする.
    p-ニトロフェノ−ル0.025gをこの緩衝液約85mlに溶かし,これを10×10mmの英セルにとり,分光光度計で蒸留水を対照に400nmの吸光度が0.600±0.010となるように緩衝液を加える.(このとき,溶液のpHは5.1である.)
    このA液とB液を正確に10:8の割合で混合し,よく撹拌する.標準液は,1ケ月以上経過したものは使用してはならない.A液とB液は,冷蔵庫に保管し,1年以上経過したものは使用してはならない.
  2. 0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液
    過マンガン酸カリウム3.160gを蒸留水に溶かし,1時間煮沸して一夜暗所に放置後JIS R 3503に規定するガラスろ過器で,細孔記号4のろ過板を用いて吸引ろ過する.この液を0.05mol/l(N/10)シュウ酸ナトリウム溶液で標定し,0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液を調製する(0.1±0.001Nとする).0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液は暗所に保管し,調製後1ケ月毎に標定すること.
    なお,市販の0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液を使用してもよいが,この場合の標定も1ヵ月毎に行うこと.
  3. 0.05mol/l(N/10)シュウ酸ナトリウム溶液
    シュウ酸ナトリウム10gを110℃の乾燥器で2時間乾燥させた後,デシケ−タ−中で放冷させ,その6.7〜6.8gを0.1mgの桁まではかりとり蒸留水を加えたて1lとする
    0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液の標定の方法
    0.05mol/l(N/10)シュウ酸ナトリウム溶液25mlと濃硫酸10mlを三角フラスコにとり,60〜70℃の湯浴中で約5分間加温し,0.02mol/l(N/10)過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,30秒間微紅色が持続する点を終点とする.0.05mol/l(N/10)シュウ酸ナトリウム溶液1mlは過マンガン酸カリウム0.003161gに相当する.
表示法 合格又は不合格